BOOK FESTA 2012 Spring

©京極夏彦/講談社

書き出しを立ち読み

 私は

 たぶん、今目覺めた。

 此處は、何處だらう。
 私は何をしてゐるのだらう。


 私は生暖かい液體に浸つてゐる。

 私は目を閉ぢてゐるのだらうか。
 目を開けてゐるのだらうか。
 暗い。
 そして靜かだ。

あらすじ

「二十箇月もの間子供を身籠っていることができると思うかい?」。昭和27年の夏、三文文士の関口巽(せきぐちたつみ)は東京は雑司ケ谷にある久遠寺(くおんじ)医院の娘にまつわる奇怪な噂を耳にする。しかも、密室から煙のように消えたというその夫・牧朗は関口の旧制高校時代の1年先輩だった。

booklistaオススメポイント

京極夏彦の記念すべきデビュー作。文庫本が600ページ超になるこの大作がデビュー作というのだから、その才能には畏怖の念しか覚えません。怪奇でもミステリでも足りない、もはや「京極夏彦というジャンル」に区分したくなる独特なる世界観、どうぞ没入してください。「この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君」

著者について

京極夏彦

北海道小樽市出身。
桑沢デザイン研究所を経て、広告代理店等に勤務の後、
制作プロダクションを設立。
アートディレクターとして、現在でもデザイン・装丁を手掛ける。
現在、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員。関東水木会会員。
怪談之怪発起人。古典遊戯研究会紙舞会員。
全日本妖怪推進委員会肝煎。
1994年 「姑獲鳥の夏」でデビュー。
1996年 「魍魎の匣」で第49回日本推理作家協会賞長編部門受賞。
1997年 「嗤う伊右衛門」で第25回泉鏡花賞受賞。
2003年 「覘き小平次」で第16回山本周五郎賞を受賞。
2004年 「後巷説百物語」で第130回直木賞受賞。
2011年 「西巷説百物語」で第24回柴田錬三郎賞受賞。

姑獲鳥の夏 (1)

姑獲鳥の夏 (2)

※本作は2ファイルに分冊されています。(1)・(2)合わせてお楽しみください。

PAGE TOPへ戻る