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  • 徹底レポート!殺人事件が頻発!?建築家・中村青司の手掛けた「館」に迫る!
若くして実力を認められながら、風変わりな家ばかりを設計した天才建築家・中村青司。彼が各地に建てた“館”は偏執的なほど徹底して意匠が凝らされ、様々な“からくり”も施されたという。中村自身が謎の死を遂げたように、館では謎多き殺人事件がいくつも発生している。このレポートでは、各地で起きた事件を1つずつ詳らかにしていく。

INDEX

必ず人が死ぬ!? 中村青司建築一覧

十角館所在地 : 大分県・角島

” 遠近感を狂わせるこの奇妙な部屋の造りに、ヴァン以外の六人は一様に首を傾げていたが、やがて奥の扉を抜け、建物中央のホールへと足を進めたところで納得顔になった。というのも、そこが等しい幅を持つ十面の壁に囲まれた十角形の部屋だったからである。”

ここ「十角館」で起きた殺人事件とは…

1986年3月26日、K**大学の推理小説研究会が十角館を訪れた。角島には中村青司が自ら設計し移り住んでいた通称「青屋敷」もあったが、半年前「謎の四重殺人」の果てに焼失していた。互いをミステリ作家の名で呼ぶ7名は、十角館で創作合宿を決行。「“孤島の連続殺人”物ばかりになるのでは」と語り合っていた最中、2日目の夜に「第一の被害者」「第二の被害者」などと書かれた7枚の板が見つかる。

この事件について街の人は…(Reader Store ユーザレビュー)

うえぴー さん

日本の「新本格ミステリ」は本書から始まった

おそらく出版されてすぐ読んだと記憶しています。クリスティの『そして誰もいなくなった』へのオマージュでもあるので、先に読了しておくと、さらに驚きを増すでしょう。ここからワタシのミステリ彷徨が始まったと…

そして事件の真相とは…!?

水車館所在地 : 岡山県北部

” 直径五メートルもあろうかという巨大な車輪が三基連なり、回転を続けている。
ごとん、ごとん、ごとん……
低く重々しく響く音。水しぶきを散らす黒い羽根板。
建物の西側に隣接して造られた、見事な三連水車。その力動感は、蒸気機関車の重厚さをすら思わせる。”

ここ「水車館」で起きた殺人事件とは…

1985年9月、嵐の夜に女は塔上から墜落し、一枚の絵と男が忽然と消えた。そして地下室の焼却炉で凄惨な遺体が発見される。1年後、再び水車館が客人を迎えたころ、「出ていけ。この家を、出ていけ」と書かれた便箋が見つかった。招かれざる探偵役が事件を振り返り始めたとき、またも嵐がやってくる。

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ツクヨミ さん

本格らしさでは『十角館』以上

とても本格ミステリらしい作品です。城に似た館、仮面の主人といった設定面もそうですが、なによりミステリとしての構成が「本格」を物語っています。また、隙も無駄もない文章は一文一文がもたらす効果まで計算し…

そして事件の真相とは…!?

迷路館所在地 : 京都府・丹後半島

” 二百坪余りの広い面積を取り囲んだ石垣。その内側は、鉄骨の間に厚いガラスを嵌め込んで作られた、一辺一メートル弱の平たいピラミッドの群れで埋められていた。目を細めると、地面全体が青黒く波打っているようにも見える。──これが、地下の館の屋根に当たる部分なのである。”

ここ「迷路館」で起きた殺人事件とは…

1987年4月1日、推理小説界の「影の大家」と呼ばれる宮垣葉太郎は、自身の誕生日であるこの日に、彼の弟子ともいえる推理小説家を「迷路館」へ招待した。しかし同日、宮垣は自殺。遺されたカセットテープには「自分を被害者とする殺人事件を、迷路館を使って書くこと。最も優秀であると認められた作品の作者に、遺産の相続権を与える」と吹き込まれていた。

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naotan さん

作中作中作の迷宮へようこそ

推理作家の大家、宮垣葉太郎の還暦祝いに招かれた4人の作家と編集者たち。彼らが迷路館を訪れると、待ち受けていたのは宮垣の死を告げる秘書の井野と遺書代わりの録音テープでした。迷路館を舞台にした小説を書き…

そして事件の真相とは…!?

人形館所在地 : 京都市左京区北白川

” 父が作ったというマネキン人形は、土蔵にあるものを除けば、母屋と離れの各所に全部で六体が置かれていた。母屋に三体。離れに三体。そしてこれらのいずれもが、身体のどこか一部分が欠けた不完全な姿形をしている。”

ここ「人形館」で起きた殺人事件とは…

夏、飛龍想一は彫刻家だった父が遺した京都の家に越してきた。血塗れのマネキン、郵便受けのガラス片、玄関の石ころ、切断された自転車のブレーキ、仔猫の死。想一の周囲では何者かの「悪意」が見え隠れする。

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naotan さん

最後に明かされる違和感の正体にすっきり

長いこと音信の途絶えていた父が自殺し、遺産である京都の屋敷に住むために、静岡から引っ越してきた想一は、そこで3人の住人と奇妙なマネキン人形に出会います。遺言により動かすことを禁じられた人形、近所を騒…

そして事件の真相とは…!?

時計館所在地 : 神奈川県鎌倉市今泉

” 常緑の濃い葉を茂らせた柘植の植え込みが、中央から右方向へ、手前に大きく張り出しながら長く連なっており、その背後にくすんだ赤煉瓦の壁が見え隠れしている。途中で一箇所、屋根がドーム状に盛り上がっているのが目立った特徴だろうか。渡り廊下と思われる長細い棟によって左手の洋館と結ばれたこの偏平な建物が、今日から三日間、自分たちが閉じこもる予定の時計館の本体部であるということを、江南は事前の知識として持っていた。”

ここ「時計館」で起きた殺人事件とは…

「時計だらけの奇妙な館に少女の幽霊が出るらしい」。1989年7月30日、噂の真相を確かめるためにオカルト雑誌の取材班一行は、霊能力者とともに3日間「旧館」に閉じこもる。第1回目の“交霊会”で10年前に亡くなった館の主の娘と接触した夜、鍵がかかっていたはずの「振子の部屋」から声が漏れ聞こえ、鈍い音がした。

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gashbell さん

本格ミステリ「館シリーズ」、個人的には最高傑作

繰り返される「十年前」というキーワード、この世にいない姉を探す色白の少年、「この屋敷から出ていけ」と叫ぶ老婆、部屋中に置かれた古時計、そして”館”の扉は固く閉ざされる…!執拗なまでにミステリファンのワクワク感を煽る冒…

そして事件の真相とは…!?

黒猫館

” 「建物のシルエットが黒猫のうずくまった形に見える、とか、庭の植え込みに猫の形をした物があるから、とか。植え込みの方は、長らく手入れをしていないので形が崩れてしまっていますが」「建てられた当初から、黒猫館と?」「そもそも天羽博士自身がそのように呼び始めた、という話も聞きますな」”

ここ「黒猫館」で起きた殺人事件とは…

ホテル火災で記憶を失った老人が唯一手にしていたものは、「黒猫館」と呼ばれる屋敷での殺人事件を記したものだった。1989年8月、鮎田冬馬が管理する別荘に、現オーナーの息子とそのバンド仲間が宿泊しに来る。4人は街で知り合ったレナと夜通し盛り上がるが、目覚めると翌朝レナは死んでいた。しかし入口の扉は内側から棚で塞がれていた。

そして事件の真相とは…!?

これらの事件には「中村青司が手掛けた風変わりな建物で起こった」ということ以外に関連性は無く、何故に恐ろしい事件が頻発するのかは未だ謎である。中村は自分の好みに合わなければ、どんな仕事も決して引き受けなかったという。彼には、“館”の主たちに起こる出来事が予見できていたのかもしれない。

またも事件が…!? 近日レポート予定!

※このページは館シリーズの特集です。実在する事件・人物とは関連ありません。

新本格ミステリの旗手・綾辻行人
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©綾辻行人/講談社
「館」原図:小野不由美