ご存知でしょうか。『新世紀エヴァンゲリオン』の舞台は、西暦2015年。1994年に連載開始された通称・貞本エヴァことコミック版が、2015年を目前にして無事終幕を迎えたことは、何かの運命を感じます。この機会に改めて『新世紀エヴァンゲリオン』の世界に浸ってみてはいかがでしょう。

「もしも『エヴァ』が存在していなかったら、今のセカイはどうなっていただろう?」
考えるだけでも空恐ろしいことだ。今のような形でTVアニメは放送していないだろうし、あの名作もこの名作も世に出ていなかったはず……と、ドミノ式に未来が変わってしまう。まるでバタフライ・エフェクトだ。そんな思いを馳せるくらい、「エヴァ」は直接間接、有形無形の影響を現代に与えている唯一無二の存在である。

なぜ、TVアニメの潮流をたったひとつの作品が左右するのか?それは本作の劇場版公開直前の1997年の再放送に、理由の1つがある。深夜帯の放送にもかかわらず高視聴率を獲得したことで、「深夜にアニメを見る人がいる」というアニメーション業界の新たな発見があったのだ。そもそも「エヴァ」自体、夕方に放送されていたことが信じられないくらい、ハイクオリティ志向で、尖った内容だった。ファンは作品とその世界観を求める。言い換えると、商品(オモチャやステッキ)のプロモーションとしてのTVアニメではなく、作品それ自体が商品になったのだ。「エヴァ」のビデオ・音楽ソフト、関連グッズの売れ行きは凄まじく、高い作家性や共感性が強い商品になると気づいた映像メーカーや出版社は、企画の作り方自体を更新するようになった。「エヴァ」は、今日のアニメ界の礎を築いたのである。

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「人類補完計画」が遂行されていく中、人々はLCLの海の中に飲みこまれていく。
シンジはレイと相対し、彼が下した決断とは――? 累計2500万部突破の大ヒットコミックス、堂々の完結!!

「時に、西暦2015年」。ファーストカットに極太明朝体でこの文字が現れた1995年のTVアニメ放送当時、視聴者は20年後の未来をどのように予測していただろう? まだ時は「世紀末」を迎える前。読者の中には未だ生を受けていなかった人もいるかもしれない。知る人ぞ知る存在だったその作品は、やがて日本中を熱狂の渦に巻き込み、世の中におけるアニメの存在感を変えた。まもなく、西暦2015年。ついに作中の時代設定に追いついたこの約20年間の「新世紀エヴァンゲリオン」の歩みを見てみよう。

主な出来事 年表

1993年夏頃
プロジェクトスタート

本作は『風の谷のナウシカ』などにアニメーターとして参加し、『ふしぎの海のナディア』などを手掛けた庵野秀明監督が自身で企画から立ちあげたもの。企画書には精緻な世界観やストーリー構成が記され、プレゼン資料の枠を超えていた。すでに「人類補完計画」など本作の核心に迫る用語も記載されていたという。

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「新世紀エヴァンゲリオン」 全巻リスト

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イラスト/貞本義行 ©カラー