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ずっと読もうと思っていて読めずにいる本の話

第2回 2011.12 苦い思い出『音楽』三島由紀夫 本谷有希子(劇作家)

堀江敏幸さんの近著

『なずな』
集英社

主人公は、地方都市で新聞記者として働く40代の男性。弟夫婦が、それぞれ入院することになり、生後間もない女の子を預かることになった。名前は「なずな」。子育ての経験が一切ない主人公の日常が、ほんの少しざわめいていくーー。

『正弦曲線』
中央公論新社

一度舐めた切手をさらに海綿に押し付ける郵便局員や、焚き火のそばで紙飛行機を飛ばしているおじいさんと少年など。著者が日々のなかで出会った、微かに肩が触れるくらいの些細な光景を、清流のごとく美しい言葉で綴るエッセイ集。

著者プロフィール

堀江敏幸 Toshiyuki Horie

1964年生まれ。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業、東京大学大学院人文科修了。95年に『郊外へ』(白水社)で小説家デビュー。99年『おぱらばん』で三島賞、2001年『熊の敷石』(講談社)で芥川賞、2004年『雪沼とその周辺』(新潮社)で谷崎賞など、多くの文学賞を受賞。また、『八月の日曜日』(パトリック・モディアノ著、水声社)など、フランス文学の翻訳も多い。現在、早稲田大学文学学術員教授も務める。