今日から使える作文テクニックが満載
表現力豊かに、気の利いた文章が書ける
すばる舎
2014.7.31
この本のあらすじ
「読み手を迷わせない」「相手にとって分かりやすい」「自分の思いがきちんと伝わる」――いわゆる「気の利いた文章」の書き方を、プロの編集者が指南。「書き出し」のコツ、内容のまとめ方、言葉選びの方法など、ちょっとした技術を身につけるだけで、無味乾燥だった文章がたちまち、インパクトのある、読み手に共感される文章に変わります。
おすすめコメント
毎日新聞社で書籍編集部部長を務めた著者が、35年間の編集経験を総動員して書き上げた「伝わる文章」の指南書。著者が考える良い文章とは「言いたいことがきちんと書かれ、それがきちんと相手に伝わる文章」のことです。こうした良い文章を書くために重要なのはずばり「表現力」!言いたいことを正確に書くのも、読者を飽きさせずに読み進めてもらうのも、そして相手にメッセージを伝えるのも、すべては書き手の表現力次第なのです。本書ではこの表現力の重要性と、表現力の鍛え方、表現の技術などを、具体的なサンプルを交えてわかりやすく解説してくれます。小説などの創作表現に限らず、企画書や報告書など仕事で使えるテクニックも満載ですよ!
良い文章が書ける体質になろう
文は一行目から書かなくていい ― 検索、コピペ時代の文章術
プレジデント社
2011.5.30
この本のあらすじ
電子メディア隆盛のいま、何をテーマに、どうのように書くか。
芥川賞作家・藤原智美が、プロとして身につけたテクニック。
そのすべてを伝えます。
いま、何をテーマに、どのように書けば、人の心を動かす文章になるのか。小説からネットの文章まで、ノンフィクション作家でもある著者がテクニックを紹介。
同時に、本書は電子メディア時代における「書く」ことの意味を考察したノンフィクションでもある。伝わる文章を書くことだけでなく、書くという行為そのものについて、思いを巡らすための一冊。
おすすめコメント
本書は、テーマの設定や、プロットの組み立て方、推敲の仕方など、テクニカルですぐにでも役にたつ内容も多数ありますが、芥川賞作家である著者が自身の経験を踏まえ、良い文章を書くための心構えや日常の過ごし方、文章への向き合い方を指南してくれるところが特に素晴らしいです。付け焼き刃の技術だけをひょいっと身につけるのではなく、少し時間はかかっても、身体の芯から良い文章を書ける体質へと改善したいという方に最良の一冊だと思います。
なぜか心に刺さる文章とは?
ぼくらの文章教室
朝日新聞出版
この本のあらすじ
どうすれば上手な文章を書けるようになるのか。ある貧しい農婦が書いた文章はことばや文字に誤りがあっても気にならない。またスティーブ・ジョブズは現代最高の文章家であり、驚異のプレゼン能力を持つ。「名文」以上の文章があることを解き明かす人気教室。
おすすめコメント
小説家・高橋源一郎が本書のなかで説くのは、名文と呼ばれる「上手い文章」の書き方ではありません。世の中には、およそ名文とは言えないが、なぜか読者の胸に響き、強い印象を残す文章が存在します。本書はこういった文章を通じて、強度のある文章とは何かを考察する文章教室です。文盲の農婦が書いた遺書や、スティーブ・ジョブズの講演、川上弘美の小学生時代の作文など、一読したところ技術的に優れているわけではないのに、なぜこれらが心に響くのか。その理由を著者と一緒に考えることにより、真に読者の心に届く文章の書き方が見えてくるかもしれません。
30以上の言語に翻訳された世界的名著
文体練習
朝日出版社
1996.10.28
この本のあらすじ
ある日、バスの中で起こった他愛もない出来事が99通りもの変奏によって変幻自在に書き分けられてゆく。
20世紀フランス文学の急進的言語革命を率いたクノーによる究極の言語遊戯。
おすすめコメント
『地下鉄のザジ』の作者として有名なレーモン・クノー。言語遊戯を通して文学の新しい可能性を追求したフランスの文学グループ「ウリポ(潜在的文学工房)」が、クノーのスタイルを理想とした理由が本書を読むととてもよくわかります。本書の「文体練習」というタイトルから、お堅くてつまらない文体の教科書のようなものを想像してしまいがちですが、内容は「ひとつのありふれた出来事を99通りの言い回しで表現する」という非常にユーモラスで上品で知的な言葉遊びです。いかに文体が文章表現のキーになっているかを楽しみながら実感できる世界的名著なので、文章に興味があるすべての方にオススメしたい一冊です。
文体を制すものは文章を制す
文体の科学
新潮社
2014.11.27
この本のあらすじ
文体は人なり――言葉のスタイルこそ思考のスタイルだ。文の長短や読む速度や媒体が、最適な文体を自ら選びとってゆく。古代ギリシャの哲学対話から、聖書、法律、科学の記述、数式、広告、コンピュータのプログラム、批評、文学、ツイッターまで。理と知と情が綾なす言葉と人との関係を徹底解読。電子時代の文章読本。
おすすめコメント
どんな文章にも形式(スタイル)、すなわち「文体」があります。本書でいう「文体」とは、単に文章の書き方だけでなく、文字の大きさ、行間の取り方といった、文字の配置まで含めたもの。そしてこういった文章を取り巻くさまざまな要素の集合体である「文体」が、読み手に与える印象にどう作用するのか、たくさんの具体例を示しながら解き明かしていきます。ひとつ前に紹介したレーモン・クノーの『文体練習』を読むとよくわかるのですが、同じ出来事でも文体によって、読者に与える印象は全く変わってきます。本書はその変化の要因を科学的に分析したような本なので、『文体練習』と併せて読むのがオススメです。
いかがでしたか。『表現力豊かに、気の利いた文章が書ける』のように、今日からすぐに使えるテクニックを教えてくれる本も有難いですが、『文体練習』のように文章の面白さ、奥深さを教えてくれる本も素晴らしいですね。さて次週はコアな本好きに絶大な支持を集める「平凡社ライブラリーセレクション」をお送りします。どうぞお楽しみに!