読んでほしいこの本

2016/3/23 written by BOOK TRUCK

面白くてタメになる!名作辞典特集

三島由紀夫の愛読書が国語辞典だったというのは有名な話ですが、世の中には他にも面白い辞典がたくさんあります。ということで今週は、純粋に読み物として面白くて、さらに知識もつくという一挙両得な辞典を4冊ご紹介。どれも知的好奇心が旺盛な方にオススメですよ。どうぞお楽しみください。

おもしろ辞典の代名詞的な名作

悪魔の辞典

アンブローズ・ビアス、奥田俊介、倉本護、猪狩博

KADOKAWA / 角川書店

1975.04

この本のあらすじ

この本に集められた警句を読めば、読者は思わずニンマリするに違いない。ポーの再来といわれ、芥川龍之介の「侏儒の言葉」にも大きな影響を与えた短編の名手ビアスが“インク代わりにニガヨモギの汁を使用した”といわれる皮肉な文章で、現代文明と人間性を鋭く風刺する。現代人必読の書。

おすすめコメント

体裁は普通の辞典と一緒ですが、そこに掲載されている用語の説明は普通の辞書とは全く違います。例えばこんな感じ。【幸福】「他人の不幸を眺めることから生ずる気持ちの良い感覚」、【寓話】「何かある重要な真実を例証するように意図された短い嘘」、【刑事】「罪が犯された後になってから犯罪を探り出す役人」といった具合に、全編にわたって痛快な皮肉とブラックユーモアが炸裂しています。1800年代に起源を持つ本書は、社会風刺の意味合いが強く、当時のアメリカの社会情勢を知ることもできるのが嬉しいですね。

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ITに苦手意識のある方にこそおすすめ!

ICTことば辞典 ネット時代のニュースがよくわかる250の重要キーワード

大谷和利、三橋ゆか里、江口晋太朗

三省堂

2015.7.10

この本のあらすじ

話題の『ICTことば辞典』のフルカラー版。IT(ICT)に関する解説書は詳しい人の視点で書かれているものが多く、専門用語や略語にあふれ、調べても腑に落ちないことが多くあります。「知りたい」と思っても難しそうな印象が先行して苦手意識を持つ人もいます。そこで本書は、やさしいことばを用いて身近な事例をまじえながら、初心者の視点で「わかりやすく」解説します。また、茂木健一郎(脳科学者)、佐々木敦(批評家)、高野明彦(情報学者)、林千晶(ロフトワーク代表)、廣瀬則仁(物書堂代表)、投野由紀夫(言語学者)、柴幸男(劇作家)、大井法子(弁護士)、佐藤 卓(グラフィックデザイナー)、鳥海 修(書体設計士)の第一線で活躍する10名のコラムも収録。広い視点でITの知識を身につけることができます。

おすすめコメント

テクノロジーの発展が目覚ましい昨今において、IT(ICT)用語たちと無縁に生活することは難しいですね。本書には「サーバー」「プログラミング」「OS(オペレーティングシステム)」といったITの基礎用語から、「ビッグデータ」「ドローン」「ウェアラブルデバイス」といったタイムリーな用語まで、押さえておきべき250の重要なキーワードを5つの章に分類して解説されています。なんだかとらえどころのないITの世界の全体像と現在地を知る意味で最重要な1冊です。

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壮大な科学読み物としても秀逸

サイエンス ペディア 1000

ポール・パーソンズ、古谷美央

ディスカヴァー・トゥエンティワン

2015.11.19

この本のあらすじ

10カテゴリーにわたり科学の最重要キーワードを1000個選び、それぞれを簡潔に紹介したおしゃれな科学事典です。 それぞれのキーワードは五十音順ではなく、科学のサブカテゴリー(力学、熱、物質・・・・・・)ごとに並べられています。気になるキーワードを調べるのに使うのはもちろんですが、サブカテゴリーに含まれるキーワードを一気に読むという楽しみ方もおすすめです。そうすることで、気になるサブカテゴリーの全体像が浮かび上がってくるからです。 科学辞典が持つ広範さを保ちながら、ポピュラーサイエンスのように読めるとっかかりやすさを融合させた本書は、事典としてはもちろん、想像力を刺激する科学エッセイとしても楽しむことができるのものです。

おすすめコメント

物理、生物から社会科学まで、人類が5000年にわたって積み上げてきた科学的知識のなかから、最重要と思われる1000のキーワードを簡潔に説明した1冊。気になっている用語を調べるのにも便利ですし、パラパラ眺めて新しい事柄を知るのもワクワクします。しかも各項目の説明文が、辞典にありがちな無味乾燥なものではなく、エッセイのような温かみと親しみやすさがあって、読んでいて非常に楽しいです。ちょっと高額ですが、それに見合うだけの充実の内容です。科学好きであればぜひ手元に置いておきたいものですね。

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これで話のネタには困らない

話のネタになる! 語源大辞典

ISMPublishingLab

ゴマブックス

2013.10.11

この本のあらすじ

「OK」「もしもし」「やばい」「ギャル」「ぱくる」「鉄火巻き」・・・・・・etc.普段何気なく使っている“言葉”について、どれだけ知っていますか?あなたの知らない言葉の“語源”には、話のネタになる面白いストーリーがたくさんあるのです!
本書では、日常使う言葉から業界用語まで、読んで楽しいだけでなく、ついつい誰かに話したくなる言葉のトリビアをご紹介。
飲み会、合コン、デートなど、様々な場面で会話の間にさりげなく披露すれば、知的なアナタを演出できるハズ。

おすすめコメント

これは確かに人に話したくなるものばかりで面白いです。日本人として知っておいたほうが良いものから、ちょっとした話のネタというものまで様々ですが、言葉の成り立ちを知るのは純粋に楽しいですね。各項目の解説は比較的ライトなものが多く、なかには物足りないという方もいるかもしれませんが、語源の大枠を捉えるのには十分だと思います。新しいことを知るのが好きな好奇心と探求心の強い方にオススメの辞典です。

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いかがでしたか。あまり読んで楽しむものと思われない節のある辞典ですが、読んでみると意外にもかなり面白いです。さて次週は「BOOK TRUCK的 心のベスト10」をお送りします。どうぞお楽しみに!

BOOK TRUCK

2012年3月オープン。BOOK TRUCKは公園や駅前、野外イベントなどの行く先々に合わせて、その都度品揃えや形態が変わるフレキシブルな移動式本屋として、新刊書、古書、洋書、リトルプレス、雑貨などを販売。

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