読んでほしいこの本

2015/7/1 written by BOOK TRUCK

一から学べる近現代史

ニュースを見てもその背景や真相がわからないから、自分の意見が持てず、悔しいような情けないような思いをしてきた方も多いのではないでしょうか。今回は「一から学べる近現代史」というテーマで、日本を中心に1920年代以降の近現代史をざっとおさらいできる本をセレクトしました。これらを読めば日々のニュースの見え方がきっと変わるはずですよ。

現代史を学び直したい方の必読書

学校では教えない「社会人のための現代史」 池上彰教授の東工大講義

池上彰

文藝春秋

2013.10.15

この本のあらすじ

池上彰教授のわかりやすい現代史講義を実況中継!「円高」や「反日」など身近なナゾが現代史から解ける!
●ベトナム戦争、アメリカはなんで泥沼に?
●「キューバ危機」で核戦争寸前だったって本当ですか?
●ソ連崩壊。社会主義の理想が「怖い国」になるまで
●北朝鮮はなぜ核で一発逆転を狙うのか?
●EU「一つのヨーロッパという夢と挫折」
●世界は9.11テロから何を学べる?
●「反日」の原点を知っておこう

おすすめコメント

池上先生によるわかりやすい現代史講義録で、現代史を学び直す上で必読書となる一冊です。入り組んだ事柄を簡潔で明瞭に説明することに関して、やはり池上先生の手腕は突出しています。本書では、東西冷戦以後の世界情勢と成り立ちについて池上先生の名調子で解き明かしながら、同時に日々発信されている情報について「自分で考える」という姿勢の大切さを教えてくれる素晴らしい講義録です。

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日本の昭和史を一望できる名著

昭和史 1926-1945

半藤一利

平凡社

2009.6.11

この本のあらすじ

授業形式の語り下ろしで「わかりやすい通史」として絶賛を博し、毎日出版文化賞特別賞を受賞した「昭和史」シリーズ戦前・戦中篇。日本人はなぜ戦争を繰り返したのか―。すべての大事件の前には必ず小事件が起こるもの。国民的熱狂の危険、抽象的観念論への傾倒など、本書に記された5つの教訓は、現在もなお生きている。過ちを繰り返さない日本へ、今こそ読み直す一べき1冊。

おすすめコメント

日本の昭和史を一望するならこちらがオススメ。戦前を扱った本書と、戦後を扱った『昭和史 戦後篇 1945-1989』とで、1000ページ以上の大ボリュームながら、歴史読み物として文句なく面白いのでスラスラと読めてしまいます。語り下ろし形式なので、知り合いの戦前生まれのお爺ちゃんから当時の状況を聞いているかのように引き込まれてしまいます。

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日本国憲法を理解する足がかりに

日本国憲法 ─まんがで読破─

バラエティ・アートワークス

イースト・プレス

2012.3.10

この本のあらすじ

あなたは憲法をちゃんと説明できますか? 日本を知るには、まずは憲法から。現行の憲法典、日本国憲法。日本における人々の生活の基盤であり、国家規範とされている。その成立がGHQの占領時であったことや、第9条「戦争放棄」と自衛隊の存在など、さまざまな論争を呼ぶも、成立以来60年以上ものあいだ改正されていない。改憲の声が高まる昨今、国民に託された法のあり方を問うべく、日本国の近代史とともに検証を加えて漫画化。

おすすめコメント

昨今、何かと存在がクローズアップされている日本国憲法。本書は憲法の基本的な考え方とその成り立ちについて、日本の歴史を紐解きながらわかりやすく解説したものです。これらの記述に多くのページを割いているので、憲法の内容に関する記述はやや少なめです。まず日本国憲法というものを大づかみにしたいという方に最良の一冊です。

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タイトルに偽りなし!

学校で習わない日本の近代史 なぜ戦争は起こるのか

横内則之

文芸社

2010.8.1

この本のあらすじ

自国および周辺国に及ぼした重大事実を「知らない、教えない、知ろうとしない」で安穏な日常生活に浸っている現状を憂えた著者。ほんの数世代前の人たちが、近代国家建設のために大変な苦労をし頑張ってきたかを、これからの時代を担う若い世代に知ってもらい、元気を出してもらいたいとの熱いメッセージが込められている。豊富な写真と図版を駆使し解説する。

おすすめコメント

今までの歴史認識が揺らぐかもしれません。それほどまでに本書には僕らが学校で習わなかった歴史事実がちりばめられています。とはいえ、いたずらに日本人を礼賛したり、貶めたりせず、日本人にとって誇らしい事実も、恥ずべき事実も、悲惨な事実も、偏りなく丁寧に記述されていることに、著者の歴史認識の公平性を強く感じました。池上先生と同様、あとがきで著者自身が述べているように、「自分で考える」ことの大切さに気づかせてくれます。

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国の擬人化でわかりやすくなった現代史

サクサクわかる現代史

青木裕司、片山まさゆき

KADOKAWA / メディアファクトリー

2010.8.25

この本のあらすじ

世界の今を知るには、「現代史」の理解が欠かせない。わかりづらい国際関係も、国々をキャラクター化して考えれば、驚くほどサクサクと理解できてしまう。「パレスチナ問題」「東西冷戦」「アメリカの9.11テロ」、現代史のなかでも特に難解で重要な3テーマをカリスマ講師と漫画の鬼才が超平易に解説。

おすすめコメント

本書では「パレスチナ問題」「東西冷戦」「アメリカの9.11テロ」という3つのトピックスについて、漫画を交えてこれ以上なくわかりやすく解説します。国々を擬人化して当時の情勢が語られていくので、時折大胆な省略も散見されますが、その分大体の流れは非常に理解しやすいです。本書内でのアメリカくんやイギリスくんの身勝手な振る舞いには閉口するばかりです。現在の世界情勢を理解する一助になるかもしれませんよ。

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エコノミストだから書き得た近現代史

大局を読むための世界の近現代史

長谷川慶太郎

SBクリエイティブ

2014.11.14

この本のあらすじ

日本の元祖エコノミストが解読する、世界の動き方! エコノミストならではの歴史を読み解く着眼点――経済合理性があるかどうか、物量の規模や経済指標などを駆使して世界史のダイナミズムに迫る。未来を読みとおす卓見は、歴史への正確な理解から生まれる!

おすすめコメント

エコノミストの視点で近現代史を眺めるとこうもわかりやすくなるとは。観念的に戦争を読み解くのではなく、「経済的合理性」に着目し、戦争をひとつの経済活動と位置付けることにより、世界大戦や冷戦が起こったメカニズムを合理的に解き明かします。きっとこの視点は、現在進行形で展開している戦争、紛争に対しても有効で、世界の大局を読む大きな助けになるのではないでしょうか。

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様々な歴史的事実を知ることと同時に、自分の考えを持つということもすごく重要なのですね。さて次週は、8月、9月に開催を控えたサッカー日本代表の東アジアカップ、W杯アジア2次予選を見据えて「いまオススメのサッカー漫画」をお送りします。どうぞお楽しみに!

BOOK TRUCK

2012年3月オープン。BOOK TRUCKは公園や駅前、野外イベントなどの行く先々に合わせて、その都度品揃えや形態が変わるフレキシブルな移動式本屋として、新刊書、古書、洋書、リトルプレス、雑貨などを販売。

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