読んでほしいこの本

2016/2/10 written by BOOK TRUCK

人工知能と僕らの未来

ついにグーグルのAIプログラム「AlphaGo」が通常の囲碁でプロの棋士(欧州王者)に勝利しました。その局面の多さと動きの複雑さから、囲碁において当分コンピューターは人間に勝てないと思われていただけに、このニュースは衝撃でしたね。ということで今週は何かと耳にする機会も増えてきた「人工知能」をテーマにした本をご紹介いたします。遠い未来の出来事だと思われた人工知能が蔓延る社会がすぐそこに!初心者にも比較的読みやすい本ばかりなので、この機会にぜひご覧になってみてください。

最初に読むべき人工知能本

人工知能は人間を超えるか

松尾豊

KADOKAWA / 中経出版

2015.3.9

この本のあらすじ

グーグルやフェイスブックが開発にしのぎを削る人工知能。日本トップクラスの研究者の一人である著者が、最新技術「ディープラーニング」とこれまでの知的格闘を解きほぐし、知能とは何か、人間とは何かを問い直す。

おすすめコメント

人工知能についてニュースで見聞きするくらいの知識しかない一般の読者に最もおすすめなのが本書です。数ある人工知能を扱った本の中でダントツのわかりやすさ!かといって内容が薄いかといったらそんなことはなく、専門家ならではの視点で細部まで丁寧に解説してくれます。また過度な楽観や悲観を排して、現状を冷静に正しく伝えているので、読者に偏ったイメージを植え付けないのも好感が持てますね。人工知能について客観的かつ総合的に分析した非常に良い本です。

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人工知能の未来に警鐘を鳴らす話題の一冊

人工知能 人類最悪にして最後の発明

ジェイムズ・バラット、水谷淳

ダイヤモンド社

2015.6.18

この本のあらすじ

2045年、AIは人類を滅ぼす――Google、IBMが推し進め、近年爆発的に進化している人工知能(AI)。その「進化」がもたらすのは、はたして明るい未来なのか? ビル・ゲイツすら危惧するその実態を徹底的に取材し、そのあまりにも恐ろしい予測が全米で議論を巻き起こした禁断の書、ついに日本上陸。

おすすめコメント

最近になって盛んに叫ばれるようになった「シンギュラリティー(技術的特異点)」。平たく言うと人工知能が自分より少し賢い人工知能を作り上げられるようになるポイントのことを言うようで、この地点から爆発的スピードでテクノロジーは進化し、人間の頭脳レベルをあっという間に凌駕してしまうとのこと。そしてその後の世界がどうなってしまうかは想像に難くありません。本書では人工知能が孕んでいる危険性にフォーカスし、あらゆる角度から分析した一冊です。著者がテレビプロデューサーであることもあってか、やや悲観的で扇情的な論調に終始している印象はありますが、たくさんの危険性がとてもよくまとまっているので一読の価値ありです。

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テクノロジーが変える僕らの未来

NEXT WORLD 未来を生きるためのハンドブック

ミチオ・カク、NHKスペシャル「NEXT WORLD」制作班

NHK出版

2015.4.11

この本のあらすじ

コンピューターが人間の知性を超えると言われている2045年、私たちの生活はどのように変わるのか?若返りの薬、着るロボット、デジタルクローン、犯罪予測システム、火星移住計画─未来はもう始まっている!NHKスペシャル『NEXTWORLD─私たちの未来─』(2015年1月-3月放送)で紹介したテクノロジーをさらに深く掘り下げ、網羅的に解説。1キーワード・4ページで完結し、どこから開いても読めるつくり。番組で放送されなかった トピックも取り上げ、より深く、“来るべき未来の姿”を理解できる一冊!

おすすめコメント

身体補助ロボットや再生医療の可能性などに言及した「命と身体」、新しい時代の都市開発や火星探査などに注目した「生活とフロンティア」、そして未来を予測するツールとして人工知能を分析した「人工知能と未来予測」。僕らの未来を変えるであろうテクノロジーを、興味深い三カテゴリーに分類し、簡潔に解説してくれます。マンガやSF小説にそのまま登場してもおかしくないようなテクノロジーばかりで、ここ数年の科学の進歩の速さには本当に驚かされますね。

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人工知能とアルゴリズム

アルゴリズムが世界を支配する

クリストファー・スタイナー、永峯涼

KADOKAWA / 角川書店

2013.10.8

この本のあらすじ

古代から存在はしたが、2000年代、ウォール街で金融商品の開発に活用されたことで一気に進歩したアルゴリズム。映画や音楽のヒット予測に限らない、今や私たちの生活のあらゆる場面に進出しているのだ――。

おすすめコメント

2年ほど前に出版され、非常に話題になった本です。すでに一般用語として浸透しつつある「アルゴリズム」とは、簡単に言うと「ある特定の問題を解く手順(手続き)」のことです。人間に置き換えると「行動規範」のようなものでしょうか。これらをプログラム化し、コンピュータに指示をすることで、数多くの作業が効率化され活用されてきました。そしてついにはコンピューター自身がアルゴリズムを自律し、新たなる次元へと足を踏み出したのです。人工知能の根源にある仕組みを知ることで、より深く人工知能の本質に思いを巡らすことができるのではないでしょうか。

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いかがでしたか。成長が目覚ましく目が離せない分野なので、良書が次々と出版されています。今後は少し専門的な本もご紹介したいと思います。さて次週は「あの雑誌のこの号がオススメ!part2」をお送りします。どうぞお楽しみに!

BOOK TRUCK

2012年3月オープン。BOOK TRUCKは公園や駅前、野外イベントなどの行く先々に合わせて、その都度品揃えや形態が変わるフレキシブルな移動式本屋として、新刊書、古書、洋書、リトルプレス、雑貨などを販売。

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