年間ランキング2012 総合・小説部門1位によせて

角川書店編集局第二編集部 足立雄一 さまよりコメントを頂きました!

ブックリスタ年間ランキング総合・小説部門第1位、ありがとうございます!単行本刊行時、様々な方々に熱いご支持を頂いた本作が電子書籍でもこのような名誉を頂き、本当に嬉しく思います。冲方さんが高校生の頃に惚れ込んだ渋川春海という男の真っ直ぐな生き方。彼の「諦めない人生」がこの受賞を機にさらに多くの方に届くことを願っております。今後ともご支援の程、よろしくお願い申し上げます。

ここが面白い! ―booklistaおすすめポイント

時は江戸時代前期。城で囲碁を打つのが仕事の安井算哲=渋川春海は、人生をかけて日本で初めての国産暦を作り上げました。その史実をもとにしたフィクションです。地べたに座り込んで計算を始めたり、何の魚かよく分からないまま干物を買ってしまったりと、春海のキャラクターは親しみやすく描かれており、時代モノが苦手な方でも楽しめます。さすが本屋大賞2010第1位受賞作。黄門さまとしておなじみの水戸光圀や、「生類憐みの令」の徳川五代将軍・綱吉など、日本史の教科書で名の上がる有名人たちも登場します。

作品あらすじ

徳川四代将軍家綱の治世、ある「プロジェクト」が立ちあがる。即ち、日本独自の暦を作り上げること。当時使われていた暦・宣明暦は正確さを失い、ずれが生じ始めていた。改暦の実行者として選ばれたのは渋川春海。碁打ちの名門に生まれた春海は己の境遇に飽き、算術に生き甲斐を見出していた。彼と「天」との壮絶な勝負が今、幕開く――。日本文化を変えた大計画をみずみずしくも重厚に描いた傑作時代小説。第7回本屋大賞受賞作。

作中人物相関図

※角川書店公式サイトより

(上巻あらすじ)

徳川四代将軍家綱の治世、ある「プロジェクト」が立ちあがる。即ち、日本独自の暦を作り上げること。当時使われていた暦・宣明暦は正確さを失い、ずれが生じ始めていた。改暦の実行者として選ばれたのは渋川春海。碁打ちの名門に生まれた春海は己の境遇に飽き、算術に生き甲斐を見出していた。彼と「天」との壮絶な勝負が今、幕開く――。日本文化を変えた大計画をみずみずしくも重厚に描いた傑作時代小説。第7回本屋大賞受賞作。

(下巻あらすじ)

「この国の老いた暦を斬ってくれぬか」会津藩藩主にして将軍家綱の後見人、保科正之から春海に告げられた重き言葉。武家と公家、士と農、そして天と地を強靭な絆で結ぶこの改暦事業は、文治国家として日本が変革を遂げる象徴でもあった。改暦の「総大将」に任じられた春海だが、ここから想像を絶する苦闘の道が始まることになる――。碁打ちにして暦法家・渋川春海の20年に亘る奮闘・挫折・喜び、そして恋!!