陰の季節

横山秀夫

文藝春秋

『64（ロクヨン）』につながっていく「D県警シリーズ」の第1弾で、1998年に松本清張賞を受賞した表題作を含む４本の短編を収録。県警の人事担当の二渡真治は天下り先のポストに固執するOBの説得にあたる中で、ある未解決事件に遭遇する。

動機

横山秀夫

文藝春秋

第53回日本推理作家協会賞を受賞した表題作を含む4本の短編を収録。署内で保管されていた30冊もの警察手帳が紛失する『動機』、前科持ちが電話で殺人を持ちかけられて悩む『逆転の夏』、裁判官が居眠りで失脚する『密室の人』など。

半落ち

横山秀夫

講談社

すべてを自供していない状態を指す警察用語をタイトルにした警察小説。現職警官の梶が妻を殺害したと自首してくる。素直に取り調べに応じる梶だが、殺害から自首までの空白の2日間については全く語ろうとしなかった……。

第三の時効

横山秀夫

集英社

F県警の刑事を主人公にした「F県警強行犯シリーズ」の第1弾で、全6篇を収録。時効目前となった殺人事件。しかし容疑者が海外に滞在していたため、7日間のタイムラグが生じていた。F県警はこの7日間を利用し……。

臨場

横山秀夫

光文社

“終身検視官”の異名をとる倉石義男を主人公とした短編集で、8篇を収録。L県警捜査一課で鑑識畑一筋の倉石。組織にとらわれないため上層部から疎まれながらも、遺体に対する鋭い眼力を持つ倉石は、様々な事件に挑んでいく。

ルパンの消息

横山秀夫

光文社

1991年のサントリーミステリー大賞佳作を受賞するも世に出ていなかった“幻の一作”が、改稿作業を経て2005年にリリース。15年前の高校女性教師の自殺は実は殺人事件だった。テストを奪うため校舎内に忍び込んでいた学生３人が犯人なのか？

オー！ファーザー

伊坂幸太郎

新潮社

2014年に岡田将生主演で映画化された伊坂幸太郎のサスペンスコメディ。母親が“四股”をかけていたせいで、4人も父親がいる高校生の由紀夫。彼は、カバンのすり替えを目撃したことから事件に巻き込まれていく。

謎解きはディナーのあとで

東川篤哉

小学館

世界的に有名な宝生グループのお嬢様である刑事と、彼女に対して毒舌を吐くドSな執事のコミカルなやりとりが人気を呼んだ本格ミステリ。2011年放映のドラマと2013年公開の映画では、櫻井翔と北川景子が主演を務めた。

イニシエーション・ラブ

乾くるみ

文藝春秋

2015年に松田翔太、前田敦子ら出演で映画化された。理系学生の“僕”は合コンで歯科衛生士の彼女と出会い、恋に落ちる……。青春小説と思いきや、ラストにまったく別の姿を見せるため、「必ず2回読みたくなる」と評判の傑作ミステリー。

姑獲鳥の夏

京極夏彦

講談社

伝奇的なテイストで高い人気を誇る「京極堂シリーズ」の第１弾で、昭和27年を舞台に20ヶ月も子供を身ごもり続ける娘の奇怪な事件を描く。大胆な演出で知られる実相寺昭雄によって2005年に映画化された。

ストロベリーナイト

誉田哲也

光文社

誉田哲也の警察小説「姫川玲子シリーズ」の第1作。壮絶な過去を持ちながら優秀な警部補となった姫川は、殺人事件を追う中で「ストロベリーナイト」という謎の言葉と出会う。竹内結子主演でドラマ化＆映画化されている。

GOTH　夜の章

乙一

KADOKAWA / 角川書店

第3回本格ミステリ大賞を受賞し、2008年に本郷奏多主演で映画化された。“僕”は、連続殺人犯の日記帳を拾った美少女・森野夜に、未発見の死体を探そうと誘われる。人の暗黒面に惹かれる主人公たちが猟奇的事件に出会う連作短編集。