#あの人に気になるあのこと聞いてみた

豪華役者陣が集結

傑作警察小説『64(ロクヨン)』が骨太傑作映画に!

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豪華役者陣が集結

傑作警察小説『64(ロクヨン)』が骨太傑作映画に!

オールスターキャストで放つ感動巨編

これまでも『半落ち』『クライマーズ・ハイ』など数多くの傑作小説を手がけてきた横山秀夫の7年ぶりの長編作品である『64(ロクヨン)』。タイトルどおり、昭和64年に起きた事件が引き起こす骨太な警察小説で、2012年の「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、2013年の「このミステリーがすごい!」第1位など、各所で高評価を獲得した。

その『64(ロクヨン)』がついに映画化される。しかも、若手からベテランまで主役級の役者陣が集結した。主人公の三上義信を演じるのは佐藤浩市。三上の部下に綾野剛、榮倉奈々。県警の記者クラブの記者に瑛太。昭和64年に起きた事件の被害者の父に永瀬正敏。三上のかつての上司として三浦友和。その他、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝、坂口健太郎、椎名桔平、滝藤賢一、奥田瑛二、仲村トオル、吉岡秀隆など、まさにオールスターキャストだ。

本作は5月7日からの前編、6月11日からの後編という2部作で公開される。監督は『スレイヤーズ・クロニクル』などの瀬々敬久。監督作『ヘヴンズ ストーリー』でベルリン国際映画祭の国際批評家連盟賞を受賞した手腕で、前後編2部作というスケールにふさわしい重量感のある人間ドラマに仕上げている。

迷宮入りした昭和の事件が14年経ってよみがえる……!!

STORY

昭和64年1月5日。漬け物工場を営む雨宮芳男の幼い娘・翔子が誘拐された。警察が懸命に動いたものの、サトウと名乗る犯人から身代金2000万円を奪われ、後日、翔子も遺体となって発見されてしまう。
昭和天皇の崩御により昭和64年はわずか7日間で終わり、迷宮入りとなったこの少女誘拐殺人事件は、「64(ロクヨン)」と県警内部で呼ばれるようになった。

それから月日は流れ、平成14年12月。
刑事部刑事として「ロクヨン」の捜査にも加わっていた三上義信は、今、警務部で広報官を務めていた。新聞記者に対応することも広報の業務だったが、交通事故の加害者を匿名で発表したため、三上ら広報室は記者クラブと激しく対立していた。
そんな中、突然、警察庁長官の視察が決定した。時効が近い「ロクヨン」の捜査を激励するという名目だった。

長官は視察の際に被害者である雨宮宅を慰問する予定だったため、了承を得ようと三上は雨宮宅を訪ねるが、雨宮から断られてしまう。雨宮の態度の変化の原因をさぐるため「ロクヨン」の捜査に関わった人々を訪ねて回った三上は、事件の背後に自分も知らなかった闇があることに気づく。

そして、長官視察の前日、ふたたび少女誘拐事件が発生。サトウと名乗った犯人は「ロクヨン」とまったく同じ額の身代金を要求するのだった……。

映画『64-ロクヨン-』はここがすごい!1

演技バトルが生み出したすさまじい緊張感

非常にスリリングなシーンが連続する映画『64-ロクヨン-』。実力派のキャストたちの見事な演技アンサンブルが、シーンの緊迫度をより高めている。特に警察と記者たちが激しくぶつかるシーンは、恐ろしいほどの緊張感に満ちている。

事件の加害者が警察から匿名で発表されたことを巡って、三上ら広報室のメンバーと記者クラブの記者たちが激しくぶつかるシーンでは、撮影現場にも常に緊張感があったという。三上が記者を演じる瑛太ともみ合う場面では、佐藤浩市自らシーンの見せかたについてアイデアを出していったという。

また、東京から大勢の報道陣がかけつけて開かれた記者会見のシーンもすさまじい。怒号を警察側に浴びせる記者を憎々しく演じる役者たちの力量も見事。その怒号にさらされる捜査二課長・落合役の柄本佑の消耗していく様も真に迫っている。
すべての役者の熱演と好演があって、映画『64-ロクヨン-』のすさまじい緊張感が生み出されたのだ。

映画『64-ロクヨン-』はここがすごい!2

ひと味もふた味も違う警察もの

いわゆる普通の刑事モノとはひと味もふた味も違うテイストの『64-ロクヨン-』。 主人公の三上は県警の警察官だが、刑事部に所属する刑事ではなく、警務部広報室の広報官である。この刑事部と警務部は、同じ県警内の組織でありながら、激しく対立している。

刑事部は実際に捜査を行う刑事らがいる部署。警務部は人事、福利厚生などを担当する部署で、警察職員の不祥事を取り締まる監査官室も警務部に属している。つまり、警務部は刑事部を含めた警察全体を管理する部署であり、刑事部にとってあまり仲良くしたいとは思えない存在なのだ。この対立関係が生々しく本作の中で描き出されている。

原作者である横山秀夫は元新聞記者であり、警察担当の経験もある。警察組織のことを深く知る横山だからこそ、刑事部と警務部の対立という、通常の刑事ものでは触れられない警察の知られざる一面を描けているのだ。

映画『64-ロクヨン-』はここがすごい!3

中央と地方の対立にも鋭く迫る!

前述の刑事部と警務部の対立など、組織論から見ても映画『64-ロクヨン-』は非常に興味深い。そうした組織内の対立で言えば、中央と地方の関係も見逃せない。

本作での中央と地方との対立は、ふたつ描かれる。
ひとつ目は、中央の記者と地方の記者の対立。「ロクヨン」を模倣するかのような新たな誘拐事件が起きて、首都圏から新聞社や放送局の本社の記者たちが押し寄せてくる。その中央の記者に対して地方の支社の記者の頭が上がらない関係なども、するどく描かれるのだ。

ふたつ目は、警察組織における中央と地方の対立である。三上が所属する県警では、地元出身のノンキャリアが刑事部のトップにつき、中央から送り込まれたキャリアが警務部のトップに就任する。そして県警のトップである本部長も、中央からやってきたキャリア組であり、こうした中央と地方の関係には根深い確執がある。椎名桔平演じる県警本部長・辻内が三上に投げかける、強烈なひと言は、中央と地方のゆがんだ関係を象徴するセリフなので、ぜひとも聞き逃さないでほしい。

昭和と現在の事件に直面する人物たち

CHARACTER

三上義信(みかみ よしのぶ 演:佐藤浩市)

26年間、刑事部で刑事をつとめた後に、警務部に異動して広報室で広報官をつとめている。元婦警である妻・美那子との間に一人娘のあゆみがいるが、そのあゆみが家出して行方不明という問題を抱えている。

佐藤浩市(さとう こういち)

1960年12月10日生まれ。東京都出身。主な出演作は『HERO』『アンフェア the end』『起終点駅 ターミナル』など。横山秀夫原作の作品ではドラマ『逆転の夏』、ドラマ『クライマーズ・ハイ』に出演している。

諏訪(すわ 演:綾野剛)

広報室係長で三上の部下。刑事上がりの三上と違い、広報の仕事を長くこなしているため、記者への対応などで機転が利く。匿名問題で対立する記者クラブを懐柔するために日々、奔走している。

綾野剛(あやの ごう)

1982年1月26日生まれ。岐阜県出身。2003年に俳優デビュー。主な出演作は『横道世之介』『夏の終り』『そこのみにて光輝く』『リップヴァンウィンクルの花嫁』。2016年の公開待機作は『日本で一番悪い奴ら』『怒り』。

美雲(みくも 演:榮倉奈々)

広報室婦警。三上の部下で、広報室の紅一点。職務熱心でまっすぐな性格の持ち主で、三上のことを尊敬している。広報室の一員として自分も男性陣と同じように貢献したいと考えている。

榮倉奈々(えいくら なな)

1988年2月12日生まれ。鹿児島県出身。2004年にドラマ『ジイジ~孫といた夏~』で女優デビュー。主な出演作は『余命1ヶ月の花嫁』『図書館戦争 THE LAST MISSION』など。

二渡真治(ふたわたり しんじ 演:仲村トオル)

警務部警務課調査官。三上の同期。県警における陰の人事権者と言われ、自分を刑事から広報に異動させたのも二渡の意図があったと三上は考えている。「ロクヨン」のことも調査して回っているらしい。

仲村トオル(なかむら とおる)

1965年9月5日生まれ。東京都出身。1985年の『ビー・バップ・ハイスクール』で俳優デビュー。主な出演作は『春を背負って』『の・ようなもののようなもの』『さらば あぶない刑事』など。

秋川(あきかわ 演:瑛太)

東洋新聞のキャップ。県警記者クラブを幹事社として仕切っている。匿名問題で記者クラブと広報室が対立したときも、先頭に立って県警を強く批判。記者クラブ全員で県警本部長に抗議すると決定した。

瑛太(えいた)

1982年12月13日生まれ。東京都出身。2005年の『サマータイムマシン・ブルース』で映画初主演。主な出演作は『なくもんか』『まほろ駅前多田便利軒』『一命』『殿、利息でござる!』など。

雨宮芳男(あまみや よしお 演:永瀬正敏)

漬け物工場の経営者。昭和64年に起きて未解決となっている少女誘拐殺人事件の被害者の父親。事件後に妻までも亡くし、驚くほど老け込んでしまった。ある一件から、警察に不信感を抱いている。

永瀬正敏(ながせ まさとし)

1966年7月15日生まれ。宮崎県出身。1983年の『ションベン・ライダー』で俳優デビュー。主な出演作は『息子』『隠し剣 鬼の爪』『あん』『十字架』『密のあわれ』『後妻業の女』など。

松岡勝俊(まつおかかつとし 演:三浦友和)

刑事部捜査一課長。刑事時代の三上の上司で、「ロクヨン」事件には三上と共に関わり、追尾班班長を務めた。刑事部を離れて警務部に所属する三上にとって尊敬の対象であり続けているが……。

三浦友和(みうら ともかず)

1952年1月28日生まれ。山梨県出身。1972年にドラマ『シークレット部隊』で俳優デビュー。主な出演作は『沈まぬ太陽』『アウトレイジ』『死にゆく妻との旅路』『救いたい』『葛城事件』など。

INFORMATION

映画『64-ロクヨン-前編/後編』

【CAST】
佐藤浩市
綾野剛 榮倉奈々 夏川結衣 緒形直人 窪田正孝
坂口健太郎
筒井道隆 鶴田真由 赤井秀和 菅田俊 鳥丸せつこ
小澤征悦 金井勇太 芳根京子 菅原大吉 柄本佑
椎名桔平 滝藤賢一・奥田瑛二 仲村トオル
吉岡秀隆
瑛太 永瀬正敏・三浦友和

【STAFF】
原作:横山秀夫『64(ロクヨン)』(文春文庫刊)
監督・脚本:瀬々敬久
脚本:久松真一
音楽:村松崇継
主題歌:小田和正「風は止んだ」(アリオラジャパン)

製作:「64」製作委員会
企画協力:文藝春秋
配給:東宝
助成:文化庁文化芸術振興費補助金

【OFFICIAL SITE】
映画『64-ロクヨン-』公式サイト

2016年5月7日前編、6月11日後編2部作連続ロードショー

映画『64-ロクヨン-』の原作小説はこちら!

64(ロクヨン)

横山秀夫

文藝春秋

数々の警察小説の傑作を手がけてきた横山秀夫が放つ上下巻の大作ミステリーで、2016年3月現在、累計発行部数は130万部を突破している。2012年に『週刊文春』のミステリーベスト10で第1位、2013年に『このミステリーがすごい!』で第1位、2013年に第10回本屋大賞第2位と、さまざまなランキングで高い評価を獲得。2015年にはNHKでドラマ化された。

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